都内で最もキライな場所のひとつがココ。渋谷駅の南口のJRの高架や首都高、歩道橋がひしめいてるところ。246を走りこの高架の下に入るといつも思い出すのは、田口ランディの「モザイク」。少年が「渋谷の底が抜ける」と言って、いなくなった話。このあたりのことを「すり鉢の底」と表現していた。本当にそんな感じ。色んなものが吸い込まれていく。この世の底みたい。真っ暗でよどんだ空気がたまっている感じがする。通るたびに古い揚げ油の匂いがする。



田口ランディの三部作、「モザイク」「アンテナ」「コンセント」は面白かった。独特の精神世界に引きずり込まれた。キレのある文章で一気に読めた。一部、盗作問題が話題になったりしたが、それは抜きにして、小説として読み応えあり。