エフが4~5ヶ月くらいの頃、まだ散歩に出て間もない頃の緑道でチョコラブを連れた恰幅のよいおじさんに会った。もちろん大興奮のエフはクネクネバタバタ飛び上がったりひっくり返ったり。一方のチョコラブはおじさんの「ツケ、フセ」の号令で左横にピタっとくっつきフセをしてじっとしている。聞くとまだ1才と言っていた。遊びたそうな顔でエフを見ながらじっとフセをしていた。感心した私は「すごいですね。どこか訓練に行ったのですか」と聞いてみると「レトリバーはこの位すぐ覚えるよ。こうやって教えるといいよ。」と、しゃがんで片方の膝を立ておやつを使って膝の下をくぐらせる「フセ」の教え方を見せてくれた。「この子でもできると思いますよ。」と、エフにもやって見せてくれた。エフは誘われるまま膝の下をくぐりその場に腹ばいになった。ほおーー、と感心した私。
しつけ本では見ていたが実際に目の前でやってみせてもらえると俄然やる気が湧く。家に帰ってきて早速膝を立ててエフに訓練。すると驚くほどはやく覚えてしまった。
「おすわり」のあと「フセ」と言うと勢いよく伏せる。両方の前足を一瞬宙に浮かせすばやくヘッドスライディングをするようにバタっと伏せる。そしてアゴをビタッと床につける。その姿がかわいくて面白くて毎日毎日「フセ」をしてそのたびに「エフ、いい子だ!えらい!天才!」とハデに褒め称えていた。友達の前で自慢気にやって見せたり、色んなところでキレのいいフセを披露していた。
だんだん「おすわり」と言った段階でフセをするようになり、しまいには私が立ち上がっただけで先読みしてフセをするようになっていったので、ちょっと控えるようになったが、いまだにエフはフセが得意。日々連発する。何か欲しいときはもちろん、怒られたときも、散歩に行きたいときも、遊んで欲しいときも、いつでも無言でフセをして訴えている。

まずはビタっとフセ。あごは床にこれでもかとピッタリつける。そしてひたすら見つめる。

じっと待ちます。

眠くなる。

寝る。

・・・・・最近はフセをしたまま寝てしまう。