父が去った後、目に涙をいっぱいためて沈むエフが不憫でならず、多摩川へ連れて行く。先日よりも水量が減り水もあんまりキレイじゃなかった。まぁ、これが普段の多摩川の姿なんだろう。でもエフはそんなことお構いなし。寂しさを紛らわすかのように夢中で川の中を走り回り、一心不乱に川の水を飲む。だから、ゲリするってば。しかしこの日はとても暑くて私と夫がバテた。一時間ほどで撤収。
帰宅してドロドロになったエフをシャンプー。夫も手伝う。私と違って仕事が丁寧な夫、エフの顔のすみずみまで念入りに洗っていた。ドライヤーも根気よく念入りに。面倒くさいので私はいつも半乾きで終了です。

そしてこの日の午後、突如友人家族が遊びに来た。犬を飼いたいこのご家族、大型犬とはどんな感じか、犬のいる暮らしとはどういうものか、見学兼ねて遊びに来たのだ。小3のお姉ちゃんと小1の弟。お姉ちゃんは犬大好き、どうしても飼いたい。できれば中型犬以上。一方弟くんは大きい犬に手を噛まれたことがあり、ちょっと恐い。小型犬なら飼いたいらしい。家族で協議の結果、「犬を迎える」ということは決定したらしい。エフを見て何かの参考になればいいが・・。さて、どうなることか。(ちなみに写真撮り忘れました。)

初対面のエフ、玄関にいきなり大小4人ものお客さんが現れ大喜び。いつものように歓喜の出迎え。一人一人にご挨拶。嬉しくて嬉しくてハァハァハァハァ、バタバタバタバタ、全く落ち着かない大きな犬に子供2人ボーゼン。
大型犬苦手な弟くん、自分より随分大きい怪獣のようなエフに、顔をペロリと舐められ泣き出してしまう。あーあ・・・・。
はしゃぐエフにお父さん「ほら、いいか、こんなに力があるんだぞ、おまえたちで散歩できるか?遊んであげられるか?」と子供たちに諭すように言う。
近所にいる11歳の老犬に慣れていたらしく、エフのバタバタぶりにちょっと戸惑うお姉ちゃん。でもすぐに慣れてきて、ひっくり返っておなかを見せるエフを撫でながら「かわいい、かわいい」と嬉しそうに言いはじめる。

弟くんは完全にお母さんの後ろに隠れ「チワワがいい~。」と半べそ。
その様子にゲラゲラ笑う大人たち。嫌われてもエフは嬉しそう。

そしてやっぱり家族のリーダーであるお父さんに一番先にベタベタするエフ。夫にいつもするように足の間に背中を向けて座り、撫でてもらいご満悦。大型犬好きなお父さんは「やっぱり大きいのいいな~」と。
お母さんは食費やトイレシーツ代、病気の心配、保険、避妊手術、毎日の掃除、家のレイアウト、などなど、最も現実的な相談をする。おそらくお母さんが9割方面倒を見ることになるんだから真剣。

みんなと仲良くなったエフ、でも一人だけ打ち解けられない弟くんが気になって仕方がない。ヘラヘラしながらシッポフリフリで何度もそばに近づくが逃げられる。お姉ちゃんが必死になって「大丈夫だから、こうやって首のところ触ってごらん、絶対噛まないから。」と弟くんの手を引き慣れさせようと一生懸命。最終的には撫でられるようになったが、あまり嬉しそうではなかった弟くん。やっぱりチワワがいいみたい。エフ惨敗。お姉ちゃん、ごめんよ。エフがもうちょっと落ち着いた犬だったらよかったんだけど。愛情表現が過剰で、乱暴で、しつこくて。

間をとってシェルティーにしようか、と悩む家族。大きさは関係ない、むしろ大型犬の方が穏やかで一緒に暮らし易いと夫。でもエフがその横で飛びついたりしていてやや説得力に欠ける・・。

まあ、ありのままを見てもらえてよかったか。レトリバーは若い頃大体これ位暴れん坊だし、毛がバサバサ抜けてよだれもダラダラ垂らすし、力が強いし石頭だし。一緒に暮らすには相当の覚悟が必要だもん。
存分にエフを堪能して、ご家族は多摩川高島屋のペットショップへ見に行くと言って帰っていった。写真はいただいた「プラチノ」のお菓子。(食べちゃって中身少なくなってますが)すんばらしく美味しかった。

それにしてもいつも思う。エフは普段、とてもおとなしい。じっと静かに私や夫の様子を観察したり、一人でおもちゃで遊んだり、ものおもいにふけったり。いたずらはしないし、聞き分けもいい。最近特に大人になった感じだし。それなのに、お客さんが来るとまるでダメになる。「普段はもっと落ち着いてて静かなんですよ~」といくら言っても説得力がない。ああ、本当のエフはもっとイイコなのに。実力の1割も発揮してないじゃん、と嘆く私に夫、「お客さんがいる時おとなしくしていられないってのがエフの実力なんだよ」と。・・・うむ、まぁ、そういうことね。

みんなが去った後、暴れたエフから抜け落ちた大量の毛に掃除機をかける夫。

夫 「どいて」
エフ 「・・・・・・・・・・」  

どいてくれません・・・。
誰かがまたあの階段から上がってくるのを待っているようです。



ひたすら階段を見つめ、
じっと来客を待つエフでした。