我が家はいわゆる都市型狭小3階建て住宅。こんな小さな土地に家が建つんだ、と感心したくらい。縦に細長い家の3階部分は夏になるととても暑い。その3階の寝室のエアコンが先日の夜動かなくなってしまった。数日前のとても暑い夜のこと、寝苦しくて今年初めて冷房を入れようとしたがランプが点滅するだけで運転してくれない。何度も起きてリモコンをいじったり本体を開けてみたりしたが結局大量の寝汗をかいて朝を迎えた。そして今日、エアコン修理の方がみえた。

問題はエアコン修理でなく、エフだ。家にお客さんが来ると、エフの喜びようったらただごとではない。それは宅配便でも新聞の集金でもお友達でも同じこと。玄関先でやりとりする場合はまだいいが、家の中に入ってもらう場合、エフをおさえているのがとても大変。とにかくお客さんのそばにいきたくて撫でてもらいたくて興奮して飛びついてしまう。しばらくすれば落ち着くのだがそのしばらくが長い。以前、兄が遊びに来た時など、食卓についても兄のおなかとテーブルの間に割り込んでカラダを乗り上げてずっとベタベタしっぱなしだった。夫や私が何度ダメだといってもきかない。結局兄が帰るまでの4時間あまり、ずっと興奮していて、ちっとも落ち着いて食事ができなかった。まったく。
そんなワケで、3階まで上がってもらうエアコン修理もまた大変な興奮だろう。

「キキー、バタン」外に車が止まりドアがあいた音がすると、エフはダッシュでベランダに出て外を覗く。誰かが車からおりてきたのを確認すると中に戻ってきて階段から下を興奮気味に見る。「ピンポーン」と鳴ると、すぐに下りようとするので事前に階段のトビラは閉めておく。私だけ玄関へ下り、修理のおじさんと一緒に上へ上がる。2階で待ち構えているエフをまず捕まえて取り押さえ、おじさんに3階へ上がってもらう。エフの興奮はピーク。暴れて一緒に3階へ上がろうとする。そこで階段のところにエフの苦手な赤いコロ付きスツールを置いてみた。しかしビビリながらもわずかな隙間からすりぬけようとする。

私はエフを見張りながら3階のおじさんと会話。その間もなんとかしておじさんのところへ行こうとスキを狙うエフ。そして今度はおじさんが外の室外機を点検するため下りてきた。大喜びのエフをまた押さえる。おじさんが外に出ると、2階の窓から必死で下を覗いておじさんを見つめるエフ。

窓と階段のトビラの前を行ったり来たりしておじさんがまた上がってくるのを今か今かと待つエフ。

どうしてそんなに人が好きなの?無事エアコンは直ったが、こんな具合で毎回どっと疲れる。
これまで我が家に上がっていかれた方々はみんな犬好きな人たちだったのでいいようなものの、犬が苦手な人だったらゾッとするだろう。お客さんみんなが可愛がってくれるのでエフのヤツはみんなそうしてくれると思い込んでいるよう。一度誰かにガツンと叱られれば少しは落ち着いてくれるかな。
もう少し大人になればこんなに興奮しなくなるだろうか。
エフよ、人が好きなのはわかるけど、好きな気持ちを相手に押し付けるだけではダメよ。ときには引いたりもしないと。