散歩コースの一つに「豪徳寺」がある。なかなか渋いお寺。大老、井伊直弼のお墓があり、「招き猫」発祥の寺でもある。

『一六一五年頃のお話。 貧しい寺の和尚は、自分の食事を削ってでも猫に餌を与えるほどの猫好きで、寺にいた一匹の猫を たいそう可愛がっていた。
夏のある日、門前が騒がしくなり、何事かと和尚が出てみると、立派な武士の姿があった。
「鷹狩りの帰り、寺の前を通ったら猫がしきりに手招きするので訪ねてきた次第。しばらく休憩させよ」 と言う。
貧乏寺ゆえ、和尚は渋茶など出していると…… 突然、空、にわかにかき曇り、雷が轟き、豪雨となった。和尚は静かに因果三世等の説法を説き始める。
武士も、外の気配に動じることなく聞き入っていると、 説法の終わる頃には何事も無かったような穏やかな空に戻っていた。武士はあやうく雷で命を失うところだったと、たいそう喜び、自分が近江彦根城主の井伊直孝であることを明かし、猫に招かれて雷雨の難を免れることができ、 さらにはありがたい話もうかがうことができたと、この幸運を喜び、福を招く猫のいる寺としてこの寺を井伊家の菩提寺とすることにした。当時は弘徳庵という小さな庵だったが、直孝の戒名を取って豪徳寺となり、以来寺は大いに栄える。』

・・・・・という伝説があり、ココが日本の招き猫発祥の地なのだそう。1年前まで知らなかった。なんだかすごくありがたいお寺のような気がしてお寺で売っている「招福猫児(まねぎねこ)」を家に置いている。これがいい顔をした猫なのだ。昨年も無事過ごせたので今年はちょっと大きいのにした。(といっても体長12cmほど) 全国からたくさんの人がこの招福猫児を求めて豪徳寺を訪れるそう。といっても観光地のような感じは全くなくとても静かでひっそりとしたお寺。

そういえば豪徳寺の周辺を歩いていると最近いくつか戸建て住宅が販売されていたりするが、表示を良く見ると、「土地は豪徳寺の借地」、となっていることが多い。あの招き猫のおかげで当時田畑がたくさん寄せられたのだろう。いまだにそのお陰で潤っているのだな。招き猫、えらい。
豪徳寺へは世田谷線「宮の坂」駅が近い。
世田谷線。のどかです。


皆様にもたくさん福がおとずれますように。

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